月刊「DAICHI-大地-」は、ジャンルやスタイル、流行にとらわれない
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発行:ティエラ・ミュージック 神奈川県川崎市高津区二子2-6-20-105

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■お薦めディスク
● バルトーク・プレイズ・バルトーク

今月の僕の曲は、セカンドライフ内にある Mikrokosmos という会場ででしたが、ミクロコスモスと言えば、やはりバルトーク。というわけで、この会場でバルトークの『ミクロコスモス』の演奏会を企画中なのですが、実はこれまでこの曲集を弾いたことがないのです。そこで、改めていろんなCDを探して聞いてみたりしましたが……。

やっぱり、バルトークご本人の演奏なんかあるといいよねぇ、と思って調べたら、何と、ナクソスがかつての米コロンビア盤を全て復刻してくれていました。お目当てはご本人のピアノの演奏で、これはもう、全曲ではないもののたっぷり楽しめますのと、一緒に入ってるのがヴァイオリンのシテゲティやクラリネットのベニー・グッドマンとの共演。これもおいしい組み合わせですよね。

というわけで、大変豪華な、満足できる歴史的なCDなんですが、これがたった1,200円程度とは本当に安すぎます。(笑)お勧めです。


● The Bothy Band/After Hours (Live in Paris)

クリスマスになるとアイリッシュを聴きたくなりますね。この時期にはぴったりな感じがします。エンヤさんも新しいCDを出しましたし。というわけで、普通だったらそのエンヤさんの新盤と行くのでしょうが、ここは敢えて古いものから、ボシー・バンドを引っ張ってきました。今全盛のアイリッシュブームの先駆けともなったトラッドバンドで、1975年に結成されてオリジナルアルバムは2枚ほど出してそのまま自然消滅……。しかし、その活動が音楽界に与えた影響は計り知れないと言われています。その彼らのアルバムが最近、一挙に再発売になりました。

今回ご紹介するのは1978年にパリで行われたライブ盤です。パディのイリアン・パイプは勿論、ケヴィンのフィドルも、マットのフルートも、どこまでもアイリッシュな響きを聞かせます。そして本来ギリシャの楽器であるドーナルのブズーキも。でも、やっぱり何と言っても、チリーナの透明感のある歌声が泣かせます。


● Djivan Gasparyan/I Will Not Be Sad in This World

アルメニアを代表する楽器と言えば、何と言ってもドゥドゥクでしょう。杏の木でできたリード系の楽器ですが、アルメニアのあまりに悲しい歴史は、その悲しみが大地にしみ渡り、その大地から生まれたこの楽器は誰が吹いても悲しい音色しか出さないのだとか。そのドゥドゥクと言えば、誰もが知っているその第一人者はジヴァン・ガスパリヤンということになるのでしょう。ピーター・ガブリエルなどが紹介、コラボしたりして80年代のワールドミュージックブームで一躍有名になりました。

今回取り上げたのはその西欧でのデビュー盤。伴奏はダムと呼ばれる楽器が延々とドローンを奏でるだけで、殆どドゥドゥクの独奏で、選曲も伝統的な曲が殆どなので、この楽器の真の魅力に触れることができます。確かに暗い、悲しい。だけどそこには悲しみを知る人だけが表現できる暖かさ、愛、そして光が感じられるのもまた事実です。「この世界で生きていて、どんなことがあっても悲しくなんかないよ」という意味のタイトルは、希望と勇気を与えてくれると同時に泣かせますね。


● 北米イヌイットの歌

いやー、やっと出ましたねー。このディスクの再発をどれだけ待ったことでしょう! 小泉文夫さんの現地録音による、音源としては古いものですが、非常に貴重な録音です。小泉文夫さんはその著書『人はなぜ歌うか』の中で歌というものが人間の生存にとって不可欠なものであることを、この「北米イヌイットの歌」と、同じ「ザ・ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリー」で再発になった「台湾先住民の音楽」を通じて明らかにして下さったのですが、これまで1枚ものとしてはCD化されていなかったのです。(LP発売当時は確か「エスキモーの歌」というようなタイトルだったと思いますが、今回カナダ・エスキモーはイヌイット、アラスカ・エスキモーはイヌアピクという表現に改められています。)

おもしろいのは、カリブーという一人でも獲ることのできる獲物を獲って暮らしているイヌイットたちは、合唱というものが発達していなくて、一人で伴奏して歌っていても、その伴奏のリズムがずれたりしているのに対し、大きなクジラを、それも年に何度現れるかわからないクジラを捕って暮らすイヌアピクたちは気持ちひとつであることが要求されていることもあり、合唱もうまく、リズム感も抜群なのです。そして、夫婦も仲良く、いつも二人で歌を歌うのですが、そうした様子がよく録音されています。このことは、台湾の高砂族が、戦いに行くのに合唱をして、うまくハモれなかったら戦いをとりやめ、うまくハモれたら戦いに行く、という話を思い出させます。何故ならうまくハモれるということは皆が心一つということであり、その状態でこそ戦いに勝てるからだというのです。

人間と歌との関わりを考えさせてくれる素晴らしい音源、是非お薦めです。


● 高麗恵子・いだきしん/高句麗伝説 in TYRE

ライブスケジュールでもご案内しました高麗恵子さんといだきしんさんによる「高句麗伝説」コンサートの、2005年8月26日レバノン・ティール市のヒポドローム遺跡で行われた時のライブDVDです。冒頭、高麗恵子さんが現れる瞬間から、そのあまりの美しい姿に涙が出るほど感動してしまいます。身体の奥底から力が溢れ、未来への喜びに満たされるいだきしんさんの音楽、時空を超える空間を演出する照明、そして高麗恵子さんの魂震える語り——全てが完璧なステージ。言葉が通じないはずのレバノンの聴衆が涙を流し、割れんばかりと拍手とブラボーの声が終演時に鳴り響いていることが全てを語っています。どんなことがあっても元気に輝いていくことができるエネルギーに満たされる1枚です。

※今回、カバー写真のリンクはアマゾンではなく、発売元NPO高麗の商品を扱っている株式会社いだきのサイトにリンクしています。


● 長唄全集(十二)助六/勧進帳

今月はちょっと和な感じの曲を発表しましたけれども、ロックにこうした日本風な要素を取り入れる時に僕に大きな刺激を与えてくれたのがこのディスクに収められた「勧進帳」です。長唄なんて言うとのんびりした、古い音楽と思ってらっしゃる若い人も多いでしょうが、どうしてどうして。能の要素を取り入れた出だしのかっこいいことと言ったら、もう、これはクラシックの序曲か何かのように壮大かつ荘厳だ。そして三味線のフレーズと言ったらロックギターソロみたいな緊張感に溢れてる。実際、僕のアドリブ・ソロにはここからパクったものも結構あるのです。

ロックやジャズしか聴かない人にも是非聴いてほしい日本の名曲です。CDには松本幸四郎さんと片岡仁左衛門さんといったスター役者さんのものや、或いはCDと言わず今では團十郎さんのDVDなども手に入りますが、ここでは僕がよく聴いたレコード時代の芳村伊十郎さんの名演をお勧めしておきましょうか。



● アルゴ探検隊の大冒険

今月は映画をご紹介。僕は『古事記』とかギリシャ神話とか大好きだけれども、幼い頃の僕に大きな影響を与えたのがこの映画なのです。ギリシャ神話の有名なエピソードが、当時最高の特撮技術で映画化されていて、ドキドキワクワクしながら見たものです。中でも、主人公のイアソンたちは一生懸命様々な困難を乗り越えていくのだけれども、天上ではゼウスやヘラがあたかもチェスでもするかのように主人公たちや怪物の駒を進めていくシーンは、もし神様がこんな風に人間を扱っているのだったらたまらないと、子供心に思ったものです。同時に、いや、人間なんて案外そんなものかもしれない、とも。あと、巨大な青銅の像が急に動き出したり、地面からガイコツ軍団が現れて襲ってくるシーンなどの怖いこと!

最近は特撮の技術はこの頃に比べると格段に向上してるはずなのに、ギリシャ神話、聖書、アラビアンナイトなどをモチーフにした本当にスケールの大きな、そして家族みんなで見て楽しい映画って少ないような気がしますね。それだけにこんな映画を今ひとたび見直してみてはいかがでしょう?


● 神秘のブルーモスク〜トルコの音楽

最近は何故かトルコづいている。建築家ル・コルビュジエは、若き日に旅行した時の手記を再編集した『東方への旅』の中でイスタンブールの魅力を、感動と興奮をもって、生き生きと描いている。その後で読んだ深見奈緒子さんの『世界のイスラーム建築』、塩野七生さんの『コンスタンティノープルの陥落』——そうそう、そう言えば僕がセカンドライフ内でイスラーム庭園を運営しているSilkRoadというSIMの中心には大きなオスマン風のモスクがある。西洋と東洋にまたがるこの都を僕はまだ訪れたことがない。あこがれの気持は募るばかりだ。

というわけで思い出したように取り出してきたのがこのCD。編集盤なのでカタログみたい、と思うかもしれないが、私に民族音楽の素晴らしさを教えてくれた故・小泉文夫先生の貴重な音源が含まれているので必聴です。有名な軍楽「ジェッディン・デデン」がお祈り付きで入っているのもいいが、女の子が歌うわらべうたはレコード当時1曲目に入っていたもので懐かしい。素朴だけれども、非常に魅力的な歌。民謡による合唱曲も素晴らしいけれども、ここで採られているものより、僕は「ヤイラスンダン(山の牧草地)」という5拍子の曲が大好きだった。これが入っていないのはちょっと残念。これらの音源はCDとしてはキングの「世界民族音楽大集成」に「33 トルコの音楽」としてリリースになっているので、中古でバラ売りされていたら是非とも入手されることをお勧めします。

とは言え、今回紹介した編集盤もその後のデジタル録音で音がよかったり、トルコのいろんな地域、民族のものが入っていて、トルコの音楽世界全体を俯瞰できる、トルコの民族音楽の魅力に溢れた1枚であることに変わりはありません。


● いだきしん/高句麗伝説

やっぱり、年の初めはこれを紹介したいですね。高句麗は700年以上という長きにわたって繁栄を続けた国。それを可能にしたのは、あきらめを知らず、常に先を切り開いていくその精神にあったと言われます。その高句麗という国が持っていたエネルギーをいだきしんさんがシンセサイザーとピアノで表現。これを聴いたら、もう動き出さずにはいられなくなりますし、ネガティブな考えに囚われることもなく、どんどん先へ向って進んでいけます。

新しい年、新しい目標に向うこの時期。是非、スケジュールコーナーでご案内しているイベントと合わせて、他では決してできない素晴らしい時をお過ごし下さい。

※この商品はアマゾンでは扱っておりません。ジャケット写真は発売元の株式会社いだきの販売サイトにリンクしています。


● ショパン:ワルツ集

韓国ドラマはワンパターンだ、と思いつつ、ついつい引き込まれて結局は全部見てしまったのが今年NHK総合テレビで放送された「春のワルツ」。「冬のソナタ」の監督による作品ということでしたが、全体にずっと楽しい空気が溢れていて、映像の色彩も明るくきれいで、そしてまた音楽がよくて、大変楽しめました。

その「春のワルツ」を見ていてどうしても聴きたくなったのが、やっぱり、ショパンのワルツです。ワルツと言ってもショパンがピアノで奏でるそれはウィーン風のシュトラウスのワルツとは違って、どこまでも彼自身の音楽であるマズルカなどを思わせるポーランド風のもの。華やかなものもありますが、どちらかと言えば内省的な、哀しみというか切なさというか、そういうものが溢れた音楽ですね。であればこそ、かないそうな、やっぱりかなわないような恋の場面にはぴったりなのかもしれません。そう。今年のクリスマスは誰かと一緒に過ごす人も一人静かに過ごす人も、こんな音楽はいかが?

CDはたくさんありますが、クラシック・ファンには定番中の定番、録音は古いけれども、明るい響きながらその切なさがひしひしと伝わってくるようなリパッティのものをお勧めしておきましょうか。


● レッド・ガーランド/アット・ザ・プレリュード

Jazzという音楽を初めて知り興味を持ち始めていた頃「このレコードは聴きやすいから……」と友達がプレゼントしてくれました。

後にレコードコピーしたり、レッドガーランド独特の奏法に気付き取り入れました。




● 増尾好秋/バルセロナの風

増尾好秋初のリーダーアルバム『バルセロナの風』を紹介します。録音は1969年、増尾好秋23才の時の作品です。ファンの要望が多く、今年の6月にやっと日本版CDが発売されました。生産限定版です。

このアルバムにはバートバカラックの曲が2曲収録されています。当時ウェス・モンゴメリーに傾倒していた増尾好秋。オクターブ奏法が醸し出すギターならではの暖かくやわらかい音は、忙しい日常のなかにやすらぎのひととき与えてくれることでしょう。

増尾さんは渡米して40年近い年月が経ちますが、還暦を過ぎたとは思えない若々しさを保ちながら、米国ではMASUOの名前で現在も活躍しております。いよいよご自身のレーベル「Sunshine Avenue」を立ち上げるに至りました。新レーベル誕生の1作目のCDも間もなく発売されるとのこと。最新作とデビュー作を聴き比べてみるのも楽しみですね。


● Jackie Mclean Quintet featuring Gary Bartz/Ode to Super

ややフラットで不安定な音程がかえってジャズっぽいと言われたジャッキーマクリーンと当時マイルスデイビスグループに参加し注目されたゲイリーバーツの双頭コンボによるアルバム。バックのトリオは全員ヨーロッパのミュージシャンらしいが大変素晴らしい。貧しい黒人女性のアパート管理人のことを歌い、黒人達の自由や解放のメッセージを歌ったOde to Superが圧巻。男性ジャズミュージシャン二人がユニゾンで歌うというのがとてもユニークで淡々と歌う中に意思が伝わってくる。



● The Chieftains/The Bells of Dublin

12月なのでクリスマスに聴くのにお薦めなのを1枚。今年はCOSMOさんがアイリッシュ・ハープを始めたというのでそれに影響されてアイルランドもののCDを何枚か聴き直しましたが、これはそのうちの1枚。チーフタンズと言えば押しも押されぬアイリッシュ・トラッドの雄で、望めば世界中のどんなミュージシャンとでも共演できるという大御所バンドで、ここではエルヴィス・コステロやジャクソン・ブラウン、リッキー・リー・ジョーンズ、そしてルネサンス・シンガーズとの共演が聴き所です。

タイトル通り、のっけからダブリンのクライストチャーチ大聖堂の鐘のガランガランという音から始まり、最後の、その鐘とパイプオルガンのゴージャスな競演まで、もうクリスマス気分一杯のディスクです。それも、アイリッシュなハープや笛の音が郷愁を誘い、懐かしい響きと、素朴な喜びに溢れています。アメリカ系の派手なクリスマス・ソングに飽きた方は勿論、全ての方にお薦めします。幸せなクリスマスを過ごせること間違いなしの1枚です。


● バーンスタイン/ベートーヴェン:交響曲全集/序曲集 [Limited Edition]

ブログでも何度か書いていますが、ベートーヴェンは私のヒーローです。そして、バーンスタインもまた私のヒーローなのです。この人の演奏でどれだけクラシック音楽が身近なものになったことか! 例えばショスタコーヴィチの第7番の交響曲。あの長くて重々しい曲を、きびきびと、面白く、飽きさせずに聴けるようになったのは彼のおかげですね。しかし、だからと言って、「ウエストサイド物語」の音楽を担当するようなアメリカの指揮者だからと言って、決して彼の棒は軽くはないのです。私は彼の演奏に、実はフルトヴェングラーの流れを汲む、ドイツ・ロマン派の伝統が息づいているのを感じるのです。

そう。私にとって、最高のベートーヴェンはフルトヴェングラーが指揮したもので、例えば復帰直後にベルリンで録音された「第5番」や、例のバイロイトの「第9」になるのですが、如何せん、今となっては録音が古いですね。こうした名盤とは別に、やはり繰り返し通して聴けるような全集物がほしい。それもステレオで、標準的解釈で、しかしベートーベン特有の感動を与えてくれるものが——。

この要求に見事に答えてくれるのがここに挙げたバーンスタインのCD。ウィーン・フィルを指揮してのライヴ録音盤で、レコード・アカデミー賞を受賞したものです。が、人によっては、3番(「英雄」)、5番(「運命」)、9番(「合唱付き」)がイマイチという評価もあったりして、この名曲中の名曲がイマイチでは、と後込みしたこともありましたが、結局この指揮者が好きなこともあって買ったのです。そしたら、何と、「第9」も「第5」も見事な演奏です。何れも、あのフルトヴェングラーに迫るものがあります。

そう、あのベートーヴェン特有の雄渾さとドラマティックな激しさ、感情の激しさと精神性の高さ、それらが見事にそこにはあるのです。それに加えてウィーン・フィルの音の美しいこと! 更に、瞬間瞬間、どの楽器がどのように鳴っているか、まるでスコアを見ているように音像がくっきりとしていて、私のように作曲する者には大変勉強になります。

とにかく素晴らしいベートーヴェン、クラシックにあまり馴染みのない方にもお薦めできる名盤です。



● Cesar Camargo Mariano & Helio Delmiro: Samambaia

いつもジャズがほとんどの私ですが、今回はブラジルものいってみました。

知る人ぞ知るブラジルニューウエイヴの旗手。Camargoさんの登場です。私が初めて聴いたのは、エリスレジーナのバンドのピアニストでセンシティヴなプレイを聴かせてくれた70年代でした。その頃 から透明感あるピアノサウンドに加えてフェンダーローズエレクトリックピアノ、オルガン、ヤマハCP80等を駆使していました。この人はCP80がお好きと見えてその弾き方がとても素晴らしいのです。

ウエストコースとジャズに影響されたようなギターとの3度掛け上がり下りリフとかこの人独特のアレンジも快調。シリアスなのになぜか浮かれて来てしまうのは、やはりブラジル人の気質が影響しているのでしょうか。ピアノとギターだけですが見事なコラボレーションです。

(編集部より)この作品はセザール・カマルゴ・マリアーノさんのベストとの評価が高いものであるにも拘らず、現在、アマゾン、楽天、タワーレコード、HMV等の国内のオンラインショップでは扱っていないようで、非常に残念です。1981年にEMIから31C064422895の品番で出ていたようですが、その後近くは2003年にEMI Brazilより7481432の品番で再発されているようです。ご参考までに記しておきます。


● サタデイ・ナイト・ライヴ・バンド

やりたいことをやろうとスタジオミュージシャンたちがこの一枚のレコードの為に結集。どうしても録音が合わなくて個々別々にとっているとは思えないほど、音が生き生きしていて自然と楽しくなって来ます。

これを聴くと元気になれるので、自分もエンジンをかけたい時に車でガンガンかけてぶっ飛ばしていました。「やっぱり音楽はいいと!しょうもないことに付き合ってられないと!」ネ!

私の車用の音です。


● 浪曲さわり集

さわりとはいえ、じっくり聴いてみると、日本人の知恵や文化の高さ、芸の素晴らしさが散りばめられています。

七五調に集約された節には、今も私達が普段使う言葉が多いですし、あの独特な声の意味もジワジワとわかってきてきっと楽しくなります。




● Shirley Bassey: Nobody Does It Like Me/Love, Life and Feelings

アクション映画の007のテーマ曲を歌って一躍大スターになったシャーリー・バッシーさん。名前はご存知なくても♪ゴールドフィンガー♪の歌声はどなたも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

1975〜6年頃だったと思いますが、COSMOが初めてカーネギーホールで聴いたのはシャーリー・バッシーさんのコンサートでした。ステージの真上の3階席だったので豆粒のように小さいシャーリーの姿しか観ることはできませんでしたが、歌声はものすごい迫力でした。以来すっかりファンになり、最初に買ったレコードが『Love, Life and Feelings』です。

このアルバムは当時流行っていた「Alone again」や「Feelings」などのポップスが収録されている作品です。その中でも「If I never sing another song」は一世を風靡した歌手の行く末を歌った唄なのでしょうか……? せつなく、心に滲みる曲です。この曲を是非皆様にご紹介したいと思っておりましたが、このアルバム(30年前のLPです)、残念ながらCDにはなっていなかったそうです。ところが、なんと今年10月に『Nobody Does It Like Me』というアルバムと一緒に1枚のCDに収録されて発売されます。(と、「DAICHI」の編集長が調べてくれました。)

シャーリー・バッシーさんはジャズのスタンダードは勿論、ポップスやミュージカル曲など幅広いジャンルの曲を、見事な歌唱力で歌い上げ、相当な数のCDをリリースしています。このアルバムはジャズファンにもポップスファンにも堪能できる作品です。



● ブルガリアの音楽〜バルカン・大地の歌

ブログでも紹介したのでどうかとは思ったのですが……。

やはり、つい先日、いだきしんさんと高麗恵子さんの「高句麗伝説」コンサートがブルガリアで行なわれたこともあって、気分はやっぱりブルガリアなのです。

このディスクは本当に素晴らしい。録音は古いのだけれども、何と言ってもあの小泉文夫さんが録音したものだけに、聞こえてくる音楽が生き生きとしているのです。加えて、カヴァルという中東起源の笛、西洋ヴァイオリンやその仲間であるガドゥルカ、そしてバグパイプの一種ガイーダなど、ブルガリアを代表する楽器による演奏と、そして有名な女性たちによる不思議なコーラスなど、ブルガリアの器楽と声楽を一挙に俯瞰できるのです。

カヴァルやガドゥルカは、5拍子や7拍子がいかにもトルコやイランの影響を感じさせるのですが、これがテンポが速くなってくると今度はヨーロッパ風な響きも帯びてくる、この多様な文化が入り混じった国ならではの魅力があります。また、コーラスは2度でぶつかる不協和音として有名ですが、一体、誰が2度を不協和音にしてしまったのでしょう? そんな先入観を捨てて、この霊妙というか、神秘的かつ力に溢れる響きの素晴らしさを体験してみて下さい。

小泉さんの録音はもう殆ど廃盤になってしまってますけれども、そんな中でこのCDが現役というのは、デジタル録音によるブルガリア音楽のCDがたくさん出ている中で、今なお外すことのできない、素晴らしい音楽に溢れていることの証明でしょう。とにかく、ブルガリアなら、まずこの1枚です。






月刊「DAICHI-大地-」は、ジャンルやスタイル、流行にとらわれない、新しい音楽を発信、試聴、ダウンロードできるネット音楽雑誌です。
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