月刊「DAICHI-大地-」は、ジャンルやスタイル、流行にとらわれない
新しい音楽を発信、試聴、ダウンロードできるネット音楽雑誌です。
発行：ティエラ・ミュージック　神奈川県川崎市高津区二子2-6-20-105

最近、関根さんのNippon Soul Jazz Bandでヴォーカルを務める河埜亜弓さんから、彼女がよくステージで歌っているサイモン＆ガーファンクル（以下S&G）の「ミセス・ロビンソン」の英語について質問されたと思ったら、テレビのCMその他でもS&Gの曲をよく聞くようになったので——そうそう、例の「9・11」以降、S&Gの名曲「明日に架ける橋」の３番の歌詞がワールド・トレード・センターに突っ込む飛行機を連想させるというので放送禁止歌に指定されたとかいうアホなニュースを聞いたこともあって——しきりとS&Gのことが意識に上り、久しぶりに聴きたくなって衝動買いしたのがこのDVDです。

これはね、本当にすごいコンサートなんですよ。あのニューヨークのセントラルパークに53万人と言いますから、伝説の「ウッドストック」以上の人が集まったというものなんですが、演奏もね、S&Gのディスクの中では最高のもので、CDと合わせてS&Gのベスト盤と言っていいと思います。実はこのコンサートは今から20年以上前に行われたもので、当時高校生だった僕はテレビでコンサートの模様も見ましたし、レコードも何度も聴きました。本当にカッコイイと思ったんですね。で、久しぶりに聴いてみたら、結構細部までどんな音だったか覚えてる自分に驚きました。

何がかっこよかったのか？　それはね、ピアノがリチャード・ティー、そしてドラムスがスティーブ・ガッドだったんですねー。そう、あのスタッフの面々を始め、当時最高のスタジオ・ミュージシャンがバックだったのです！

これは、本当に幸せになれる１枚です。そして、高校生の私が憧れていたころの、良きアメリカを感じることができます。そう、今彼らの歌う歌詞を聴きながら、S&Gというのは、アメリカの良心だったのだなぁ、と改めて思うのです。