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ブログでも紹介したのでどうかとは思ったのですが……。
やはり、つい先日、いだきしんさんと高麗恵子さんの「高句麗伝説」コンサートがブルガリアで行なわれたこともあって、気分はやっぱりブルガリアなのです。
このディスクは本当に素晴らしい。録音は古いのだけれども、何と言ってもあの小泉文夫さんが録音したものだけに、聞こえてくる音楽が生き生きとしているのです。加えて、カヴァルという中東起源の笛、西洋ヴァイオリンやその仲間であるガドゥルカ、そしてバグパイプの一種ガイーダなど、ブルガリアを代表する楽器による演奏と、そして有名な女性たちによる不思議なコーラスなど、ブルガリアの器楽と声楽を一挙に俯瞰できるのです。
カヴァルやガドゥルカは、5拍子や7拍子がいかにもトルコやイランの影響を感じさせるのですが、これがテンポが速くなってくると今度はヨーロッパ風な響きも帯びてくる、この多様な文化が入り混じった国ならではの魅力があります。また、コーラスは2度でぶつかる不協和音として有名ですが、一体、誰が2度を不協和音にしてしまったのでしょう? そんな先入観を捨てて、この霊妙というか、神秘的かつ力に溢れる響きの素晴らしさを体験してみて下さい。
小泉さんの録音はもう殆ど廃盤になってしまってますけれども、そんな中でこのCDが現役というのは、デジタル録音によるブルガリア音楽のCDがたくさん出ている中で、今なお外すことのできない、素晴らしい音楽に溢れていることの証明でしょう。とにかく、ブルガリアなら、まずこの1枚です。
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