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最近は何故かトルコづいている。建築家ル・コルビュジエは、若き日に旅行した時の手記を再編集した『東方への旅』の中でイスタンブールの魅力を、感動と興奮をもって、生き生きと描いている。その後で読んだ深見奈緒子さんの『世界のイスラーム建築』、塩野七生さんの『コンスタンティノープルの陥落』——そうそう、そう言えば僕がセカンドライフ内でイスラーム庭園を運営しているSilkRoadというSIMの中心には大きなオスマン風のモスクがある。西洋と東洋にまたがるこの都を僕はまだ訪れたことがない。あこがれの気持は募るばかりだ。
というわけで思い出したように取り出してきたのがこのCD。編集盤なのでカタログみたい、と思うかもしれないが、私に民族音楽の素晴らしさを教えてくれた故・小泉文夫先生の貴重な音源が含まれているので必聴です。有名な軍楽「ジェッディン・デデン」がお祈り付きで入っているのもいいが、女の子が歌うわらべうたはレコード当時1曲目に入っていたもので懐かしい。素朴だけれども、非常に魅力的な歌。民謡による合唱曲も素晴らしいけれども、ここで採られているものより、僕は「ヤイラスンダン(山の牧草地)」という5拍子の曲が大好きだった。これが入っていないのはちょっと残念。これらの音源はCDとしてはキングの「世界民族音楽大集成」に「33 トルコの音楽」としてリリースになっているので、中古でバラ売りされていたら是非とも入手されることをお勧めします。
とは言え、今回紹介した編集盤もその後のデジタル録音で音がよかったり、トルコのいろんな地域、民族のものが入っていて、トルコの音楽世界全体を俯瞰できる、トルコの民族音楽の魅力に溢れた1枚であることに変わりはありません。
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