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■Djivan Gasparyan/I Will Not Be Sad in This World

アルメニアを代表する楽器と言えば、何と言ってもドゥドゥクでしょう。杏の木でできたリード系の楽器ですが、アルメニアのあまりに悲しい歴史は、その悲しみが大地にしみ渡り、その大地から生まれたこの楽器は誰が吹いても悲しい音色しか出さないのだとか。そのドゥドゥクと言えば、誰もが知っているその第一人者はジヴァン・ガスパリヤンということになるのでしょう。ピーター・ガブリエルなどが紹介、コラボしたりして80年代のワールドミュージックブームで一躍有名になりました。

今回取り上げたのはその西欧でのデビュー盤。伴奏はダムと呼ばれる楽器が延々とドローンを奏でるだけで、殆どドゥドゥクの独奏で、選曲も伝統的な曲が殆どなので、この楽器の真の魅力に触れることができます。確かに暗い、悲しい。だけどそこには悲しみを知る人だけが表現できる暖かさ、愛、そして光が感じられるのもまた事実です。「この世界で生きていて、どんなことがあっても悲しくなんかないよ」という意味のタイトルは、希望と勇気を与えてくれると同時に泣かせますね。





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