月刊「DAICHI-大地-」は、ジャンルやスタイル、流行にとらわれない
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■French Troubadour Songs
タンゴ黒猫のお薦め
以前COSMOさんのお宅にお伺いした時に、アイリッシュ・ハープを触らせて戴いたのですが、これがなかなかいいのですね。ギターと同じく、抱きかかえて弾く弦楽器というのはどうも思いや気持ちを込めやすいようです。そのハープのブランドは「トルバドゥール」というのですが、思わず納得するところがありました。ヨーロッパ中世の吟遊詩人たちも、こんな風にハープを抱いて愛しい人への思いを歌ったのだろうかと。

久しぶりにこうした吟遊詩人たちの歌を聴いてみたいと思ったら、これがなかなかいいものが少ないのですね。昔懐かしいトマス・ビンクレーのものなどは当然品切れ状態ですし。そんな中、現役で残っているのが、ポール・ヒリアーによるこのディスクです。アラブの楽器などが登場して賑やかなビンクレーやデビッド・マンロウなどの演奏に比べると、伴奏はプサルテリウム——チェンバロの前身に当たる、寧ろイランのサントゥールみたいな楽器ですね——やハープ、オルガンのみという地味なものですが、このプサルテリウムやハープの響きがきれいなのです。

全部で9曲収められていますが、M3モニオ・ダラスの "Ce fu en mai(そは五月)" は数ある吟遊詩人たちの歌の中でも名曲中の名曲。現在手に入る他のCDではこの曲が聴けるのはこのポール・ヒリアーのディスクだけ。演奏も素晴らしい。買いです。
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